テストケースとして始まった、第一回のこどものワークショップ。先日10月2日にプレゼンテーションを終えて無事に終了いたしました。まずは以下に活動の報告をさせていただきたいと思います。

<2022年9月こどものワークショップ高校生編VOL1 活動報告>

9月3日から始まった今回のワークショップは少人数でのテストケースとして開催されました。ぜひやってみたいと参加してくれたのは鎌倉市内の高校に通う高校2年生男子の二人です。全5回のセッションを通して結局20時間ほどのワークショップの時間、参加者の希望によりすべて対面で行いました。
彼らが選んだテーマは『理想的な日本』。人々にとっての幸福とは何か?という問いから始まりました。

第1回 アイスブレイクセッション 好きなものやことを話す自己紹介、理想を描くテーマを決める
第2回 テーマ「国」についての現在のイメージを洗い出して、新しい理想的な国を思い描いて見る
第3回 理想の国での自分の役割を考える、どんなチームで?どんな方法で?手段と目的の確認
第4回 話し合ってきたことをまとめる、すべての人が幸福であるわたしたちの国とそのシステムとは?
第5回 プレゼンテーションとして大人に見てもらう準備をする、さあわたしたちが先生になって授業!

今回のワークショップでは、参加者たちが日頃から人の幸福や社会のあるべき姿について考えていたこともあり、話し合いを進めるのは難しくありませんでしたが、国を作る当事者になるという視点やそこに住むことをイメージしながらテーマを深めていきました。
理想的な国とは何か?のイメージまではどんどん出てきたのですが、実際にシステムを構築する時間は少し悩むこともありました。すべての回を経て、とてもユニークで革新的なアイディアが沢山出てきました。

最終回となるプレゼンテーション授業では、「教育」と「社会システム」をそれぞれに分担し、全く新しい国の在り方を模索しました。人の幸福と文化との関わりとは?学校の在り方とは?政治は必要か?税金の使われ方は?など高校生ならではの多角的な視点と思考力を駆使して新しい理想の国を形作りました。
このプレゼンテーションの中身は大変素晴らしいものですが、もちろんこれが最終形ではなく、彼らがこの先に学びを深め経験を伴った社会活動へと進んでいく時に、自分の持っている力を存分に発揮していくことと思います。今回のワークショップでの体験も未来に何かの糧となりきっかけとなることを願っています。

第一回のこどものワークショップをテストケースとして開催できたのも参加して下さった二人と応援して下さった方々のおかげです。シャンティハウスではWS終了後も、こどもたちが自発的に意見を出し合ったり社会に働きかけていく場を提供していくなどのサポート活動を通じて、こども達の中に本来ある力を引き出し、こども達が自らよりよい未来を創っていくことを全力で応援していきます!

最後に写真で少しご紹介します。ワークショップを重ねること20時間以上。参加者の中にある思いや願いキラキラとした輝きに触れることはわたしにとっても大きな喜びであり、大切な学びとなりました。
参加者のお二人と鎌倉の会場までプレゼンテーションを見に来て下さった17名の方々に心より感謝いたします。プレゼンテーション授業の感想や、編集した動画などまた後日ご紹介させていただきます♪

さて、第2回以降のワークショップはどんなものになるのでしょうか?!わたしもまだ詳細は何も決めていません、笑。参加してみたい!関わってみたい!と言う方がいらっしゃいましたらぜひこちらまでご連絡をいただければとても嬉しいです。

プレゼンテーション発表を聴講されたご感想

***
進学校の高校生でさえ、今の教育に対する不満を抱えている事がよくわかった。無理やり・一律・押し付けが、若者の自発性の低下や意欲の低下に繋がっているのかもしれない。よく「やりたい事をやればいい、と言われる事自体がストレス。何をやればいいかが分からない」という反応をする若者がいて、何故なのか?と思っていたが、学校教育にその根本があるのかもしれないですね。
***
直接民主主義という発想は画期的だと思いました。デジタルがここまで発展した現代、資金調達におけるクラウドファンディングが当たり前になったように、資金の使い方にデジタルを取り入れるという視点はなかった。さすがデジタルネイティブ世代だなと感心しました。
***
20時間と言う時間の中でよくここまでまとめたなぁと感心しました。とても素晴らしい発表でした。
***
幸福な社会のあり方とか個性を大事にすると言うことがよく説明できていてすごいと思いました。
***
普段は社会ついて考えたことがなかったのですが、自分の個性を生かせる社会になったらみんなが過ごしやすい世界になると思いました。
***
高校生が、これほど時間をかけて考え議論し、そしてどう伝えるかまで、綿密に準備した、ということに、まず驚きました。そして、非常に理路整然とわかりやすい話に引き込まれました。
若者たちがこうしたい、と強く思う未来の形があるなら、大人はそれを応援して、実現の手助けをするべき、と改めて思いました。こうした企画、またこれからも続けていけますように。ほんとうに胸 アツの1時間でした。
***
今回のワークショップ発表を受けてみて、多くの気づきや改めて考えさせられることがありました。
社会に出る前のこどもたちの柔軟な発想こそ、みんなが住みやすい社会をつくるための軸になると思いました。
どうしても社会の中で生きていると「こうあるべきだ」という既成概念に囚われてしまいます。今回のように、こどもは大人から学ぶものという既成概念を崩して、大人もこどもから学ぶ姿勢を持ち、相互で学び合うことで、よりよい世界がつくられるのだと思いました。
特に自由税という発想は、とても良いと思いました。どこに使われているかわからずに払っているより、自分が応援したいと思うところに使われるのなら、進んで税金を払いたいと思いますし、それによって良い循環が生まれると思います。
2人の高校生のこれからが楽しみですし、自分自身も2人から学んだことを活かして、改めて社会や人のためにできることを考えて行動していきたいと思います。

ワークショプへのご参加本当にありがとうございました