人生を味わう、っていうことをいまとても楽しんでいる。
口に入れて噛みしめて、その先の吸収と排泄まで、五感を総動員して味わうことをする。
しっかりと見て、香りを吸い込み、食感を楽しみ、響く音を聞いて・・
より深く、よりリアルに、心身にたくさんの生の情報を与える。
それが味わうってことなのかもしれない。
赤ちゃんがなんでも口に入れてそれが何者かを知るように、わたしたちは味わうことで人生を知っていく。
マインドフルネスとか、いまここを生きる、という言葉は少し堅苦しい、でも味わうと言い換えれば、本能的に理解するかもしれない。
澄んだ空の青さを味わう。
秋の日差しの暖かさを味わう。
我が子の真剣な表情を味わう。
自分の心に満ち満ちてくる幸せを味わう。
そうしていると、味わっていることが、人生の意味そのものだと感じる。
なぜなら心からの充足感は、起こることの大小や、成したことの失敗や成功に関わらないということを、波乱万丈な人生を通して教えてもらったから。
同時に、過去や未来に対する様々な考えが、いましている体験と感じる心との間に挟まっていると、よく味わうこと自体ができなくなることに気づかされる。
意識のフィルター、心にかけている色眼鏡、延々と沸き続ける思考、そんなものが邪魔をして味わうことができない。
すると感動も充足感も薄らいでしまう。何かが足りないという焦燥感が湧いてくる。
本当はいまこの瞬間に「すべてがある」というのに。
ただ自分の中がシンプルになりさえすれば、いつでも鮮やかで瑞々しく感動に満ちた体験ができるんだなぁと思い知る毎日。
たとえそれが、空を見る、というそんな些細なことでさえも。
味わうことの幸せをまた味わい、笑、心がどんどん満たされていく。